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Well Special Interview (2008.8)

小泉 今日子 - Koizumi Kyoko -
なんの無理を感じることなく、
自然と自分に当てはまる
映画になっていると思います


小泉今日子さんが、漫画家の大島弓子の自伝的エッセイを原作にした映画グーグーだって猫である』に主演として3年ぶりに出演。恋や仕事に悩みながらも幸せに生きる主人公の麻子に共感する部分がたくさんあったという小泉今日子さんに、作品の魅力などについて話を聞いた。


-『空中庭園』から約3年ぶりに主演をつとめる映画『グーグーだって猫である』は、漫画家の大島弓子さんのエッセイをもとにした作品なんですよね。最初に脚本を読んだときはどのような印象をうけましたか?
原作をふまえてですが、犬童監督の思い描く“大島弓子”の世界観が創り出すファンタジーになっているな、という印象をうけました。それは、完成作を観て改めて確信しました。
−映画では主人公と猫との交流が描かれていますが、実際に小泉さんも猫を飼ってらっしゃるんですよね? 映画で猫は主人公にとって常の幸せを共有できるいとおしい存在となってますが、小泉さんにとって猫はどのような存在ですか?
麻子は2匹目の猫と生活を共にしますが、サバはどこか“人”のような麻子と同じ世界に生きていて、そして、グーグーは“猫”としてきちんと生命を感じられる存在なのかもしれません。作品とは異なりますが、私が飼っている猫(小雨)との関係は、目覚めたときにそばにいるとうれしくなる、お母さんのような存在。作品に照らし合わせるならば、サバの関係性に近いかもしれませんね。猫を飼うことは決してバッグを買うことと同じであってはいけないし、生き物によって生きる時間が違うかもしれないけれど、一緒に生きていこうとする気持ちがなければいけないと思っています。
−なるほど。主人公の麻子とは、猫を飼っているという点以外にも、小泉さんと世代もあまりかわらず、また、名前が知られている職業についているなど、共通する部分もあるかと思うのですが、演じていて自身と重なると感じたことはありましたか?
麻子とは、大人の女の人がひとりで生きていくことの気楽さや寂しさみたいなものも知っている、“孤独”を真摯に受け入れることで、人と繋がることの意味を感覚的に捉えている人。なんの無理を感じることなく、自然と自分に当てはまる映画になっていると思います。だから、ナオミたちの圧倒的なエネルギーを持つ若い子たちが麻子さんを元気づけようとする姿に胸が熱くなったり、何度も泣きたい気分になりました。
−仕事、恋愛、仲間とのつながりなど、何気ない日常をていねいに描いているからこそ、身近にあるのに見逃しがちな幸せ、かみしめればいいのにとおりすぎてしまう幸せに気づかせてくれるような内容ですよね。
私自身これまで、生きることが少し怖いと感じていたところもありました。でも40歳になって「人生、折り返しですね」と言われた時に、「なるほど!これからは一回来た道なんだ」って。怖いから目一杯走ってきちゃったけれど、ゆっくり景色を見ながら、来たところに戻ればいいという気分になってからの方がやっぱり人生おもしろいし、だからこそ麻子を演じることは、私にとってとても楽しい時間でした。
−“来たところに戻ればいい”という発想はおもしろいですね。でも、たしかに、この先も新しいことばかりと思うよりは、そのほうが気持ちが楽になりますね。ちなみに、大島弓子さんの漫画にはこれまで触れたことはあったのですか?
犬童監督もそうですが、私も小さな頃から大島弓子さんの漫画をずっと読んできた大ファンの一人でした! ものを食べることで身体を形成しますが、それと同じように私にとって大島作品が、心の細胞を創ったことは間違いないですね。
−そうだったんですか! 大島弓子さんの漫画のファンタジックな独特の世界は、小泉さんの世代に絶大な人気がありますもんね。well読者も同じくらいの世代なので、大島弓子作品ファンも多いと思いますし、この映画を観ても共感する人も多いと思います。そんな読者にむけて最後にメッセージをお願いします!
吉祥寺という小さな街を舞台に、人も猫もそして動物たちもすべての生き物が平等で幸せに生きている。そんな広がりのある映画です。映画館を出た後で1時間でも2時間でもいつもよりほんの少しでも幸せで前向きな気分になってもらえるとうれしいです。

preview

グーグーだって猫である
2008年9月6日〜
シネマライズ、シネカノン有楽町2丁目ほか全国ロードショー
[出演] 小泉今日子 上野樹理 加瀬亮 ほか

story
麻子は吉祥寺に住む天才漫画家。 愛猫のサバを亡くした悲しみで漫画を描けなくなってしまう。そんなある日、麻子は子猫と出会う。名前はグーグー。一緒にご飯食べ、散歩をして、寝るという、なんとも幸せな毎日を過ごし、不思議な青年、青自との恋の予感、新作のアイディアなどいろんなことがうまく動き始める。だがある日突然、麻子は思いかけないことを知らされる……。少女漫画界の巨星・大島弓子が飼い猫たちとのいとおしい日々をつづった自伝的人気エッセイの映画化。

profile [小泉今日子]

2月4日神奈川県厚木市生まれ。82年のデビューから、女優として歌手として多彩な才能を見せる。映画は83年に雀洋一監督作『十階のモスキート』でデビュー。その後、『踊る大捜査線 THE MOVIE』『陰陽師』などに続々と出演。05年の『空中庭園』では、ブルーリボン賞や日刊スポーツ映画賞など数々の映画賞で主演女優賞した。
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